top of page

支払通知書の発行にあたって、取引先・仕入先のインボイス登録状況を効率的にモニタリングする方法

更新日:2023年5月7日



2023年10月からインボイス制度が始まります。

インボイスとは適格請求書のことで、インボイス制度導入後に仕入税額控除を受けるにはこの適格請求書が必要になります。

一般に、適格請求書のことをインボイスと呼んでいることから、インボイス=請求書と思われがちですが、そんなことはありません。インボイス=適格請求書記載事項が記載された書類であることから、取引先から受領する領収書がインボイスになることもあれば、自社が発行する支払通知書がインボイスになることもあります。


本記事では、仕入先から請求書を受領する代わりに、自社が発行する支払通知書をインボイスとする場合の留意事項を解説します。


 

支払通知書とは

支払通知書とは、買手が売手に対して、仕入・経費等の代金支払いにあたって発行する書類です。 通常は取引の終了時に売手が買手に対して請求書を発行しますが、取引内容の特殊性や取引当事者の便宜のために、売手が買手に対して請求書を発行する代わりに、買手が売手に対して支払通知書を発行することも一般的な実務として存在しています。

自社が発行する支払通知書をインボイスとする場合の記載事項

支払通知書の記載事項やフォーマットは法律で定められていませんが、売手が買手に対して請求書を発行する代わりに、買手が売手に対して発行する書類であることから、取引日付・取引内容・取引金額・消費税額など通常、請求書に記載される内容と同様の事項が記載されることが一般的です。


2023年10月からインボイス制度が始まりますが、従前から取引内容の特殊性や取引当事者の便宜のために売手から請求書を受領する代わりに、買手が支払通知書を発行しているケースにおいては、インボイス制度施行後においても引続き、請求書受領に代わって支払通知書を発行することが考えられます。 その場合、インボイス=適格請求書記載事項が記載された書類であることから、売手のインボイス番号(適格請求書発行事業者登録番号)等を記載し、それを売手に交付したうえで保存することで、自社が発行する支払通知書をインボイスとして仕入税額控除の対象とすることができます。


自社が発行する支払通知書をインボイスとする場合の留意事項

従前より売手(取引先・仕入先)から請求書を受領する代わりに、自社が支払通知書を発行している会社においては、それをインボイスとして取扱うことで、従前の実務を変更する必要が無い(新たに売手から請求書を受領する方式に変更するといった対応が不要である)ことから喜ばしい話ではあるものの、当該取扱いをするにあたっては重要な留意事項があります。

それは、売手(取引先・仕入先)のインボイス登録状況は常に変わりうることです。 インボイス登録を行うかどうかはいつでも企業等が任意で決めることができることとされており、インボイス制度開始後にインボイス登録を行うことも、登録を取止めることも可能です。 そのため、現時点でインボイス登録を行っている売手(取引先・仕入先)が知らぬ間に登録をやめていたということが起こりえます。


仮に売手(取引先・仕入先)がインボイス登録を取止めたにもかかわらず、そのことに気付かず、自社が発行する支払通知書に売手のインボイス番号を記載し、仕入税額控除の対象として処理してしまった場合、仕入税額控除が過大として税務調査において指摘を受けるリスクが考えられます。


気の利いた親切な取引先・仕入先であれば、インボイス登録を取止めた場合にはその事実をお知らせしてくれる可能性もありますが、必ず知らせてもらえるかが分からない以上、買手側で適時にインボイス登録状況の異動を把握・モニタリングすることが重要です。


取引先・仕入先のインボイス登録状況を効率的にモニタリングする方法

インボイス登録状況変更時の自動通知機能のイメージ

インボイス登録状況(失効状況を含む)は、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで確認することができますが、以下の理由より、同サイトにて取引先・仕入先のインボイス登録状況の異動を把握・モニタリングすることは困難と考えられます。

  • 個々の取引先・仕入先のインボイス番号を手で入力する必要があること

  • 一度に確認できる件数が最大10件であること

  • 定期的に同サイトを訪問する必要があること

「easy Invoice Check」は、取引先のインボイス登録状況をスパッと確認できるクラウドサービスです。取引先マスタ等のファイルをアップロードして、取引先のインボイス登録状況を一括チェックする「ファイル一括チェック」機能と、フリーワードで取引先の登録状況を確認できる「フリーワードチェック」機能を有しています。また、取引先にインボイス登録状況等を直接照会し、回答結果を国税庁のデータと自動照合する「アンケート機能」を有しています。


さらに、予め指定した取引先のインボイス登録状況を自動的にモニタリングし、登録状況に変更(未登録→登録、登録済み→失効)があった場合に、自動的にユーザーに通知する「インボイス登録状況のステータス変更通知機能」を近日リリース予定です。


支払通知書をインボイスとするご予定の企業様や取引先件数が多くインボイス登録状況の確認が大変な企業様に是非活用頂けますと幸いです。


最後までお読みいただきありがとうございました。


 

この記事で紹介したサービスについてもっと詳しく

会社名・住所の個別入力による逆引き検索機能を今すぐ試す(アカウント登録不要で無償利用可) https://easyinvoicecheck-freecheck.transacc.jp/


執筆者:株式会社トランザック (会社HP : Link)

株式会社トランザック(TransAcc)は、公認会計士とITエンジニアを擁し経理業務をDigital technologyの力で変革するベンチャー企業です。

Comments


bottom of page