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東証・上場企業(3,763社)のインボイス制度登録状況  調査レポート

更新日:4月24日

【東証・上場企業のインボイス制度登録状況は80%を突破】


目次

本記事では便宜上、「適格請求書発行事業者の登録状況」を「インボイス制度登録状況」と記載しております。


インボイス制度登録状況はどの程度進んでいるのか!?


インボイス制度施行後は、適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)に対して支払った消費税だけが仕入税額控除の対象となります(詳細はコチラの記事をご参照ください)。そのため、仕入先等がインボイス発行事業者として登録されているかどうかが各事業者様の重大な関心事になっています。


そこで、取引先がインボイス制度に登録したかどうかをスパッと確認できるインターネットサービス『easy Invoice Check』を運営する株式会社トランザックでは、各事業者様の関心に応えるべく、又、各事業者様における円滑なインボイス制度対応をサポートするべく、『easy Invoice Check』を使ってインボイス発行事業者の登録状況等を定期的に確認し、情報発信していこうと思います。

その第一弾として、本日は、東京証券取引所に上場している企業3,763社*のインボイス発行事業者登録状況(2022年10月26日時点)を発表します!


* 2022年9月30日時点で、グロース/スタンダード/プライム市場に上場している内国事業会社を対象としています。


東証・上場企業 3,763社中、3,264社が登録済み

グロース市場における上場企業のインボイス制度登録状況は出遅れ気味
TOPIX採用企業の中でも198社が未登録

東京証券取引所に上場している企業3,763社*のうち、3,264社(87%)がインボイス発行事業者として登録済みであることが分かりました。

上場企業ということだけあって殆どの企業で登録を済ませているといった状況です。

東証市場区分

企業数

インボイス制度登録済み企業数

インボイス制度未登録企業数

登録済み割合

プライム

1,830

1,672

158

91%

スタンダード

1,446

1,247

199

86%

グロース

487

345

142

71%

3,763

3,264

499

87%

一方で、市場別の登録割合では、プライム市場91%、スタンダード市場86%、グロース市場71%となっており、所謂、新興企業が多いグロース市場における上場企業の登録状況は、プライム市場・スタンダード市場における上場企業の登録状況と比べると、大幅に出遅れている状況です。


プライム市場・スタンダード市場に上場している大規模上場企業と比べると、グロース市場の新興企業等では、経理関連人員の不足や情報不足等の影響により、税制改正対応へのスピード感や事務手続きの遅れが発生しやすい傾向にあることが想定され、そのことがインボイス発行事業者登録状況にも表れているものと思われます。


TOPIX採用銘柄で見てみると、登録済み割合に大差はありませんが、TOPIX Core30やTOPIX Large70に採用されている日本を代表する大手企業のなかにも未登録企業が少なからずあり、やや驚きの確認結果となりました。

TOPIX区分

企業数

インボイス制度登録済み企業数

インボイス制度未登録企業数

登録済み割合

TOPIX Core30

30

28

2

93%

TOPIX Large70

70

69

1

99%

TOPIX Mid400

397

373

24

94%

TOPIX Small 1

494

449

45

91%

TOPIX Small 2

1,171

1,045

126

89%

2,162

1,964

198

91%


上場会社以外の事業者の登録状況はまだまだ進んでいない。

一方、2022年8月末時点における非上場会社を含む法人(人格のない社団等を除く)の登録率は48.4%、個人事業主の登録状況は9.9%という状況です(※)。インボイス制度に登録しない業者(非登録業者)は、主に小規模の会社、個人事業主などであると想定されるため、今後これらの会社等の登録状況がどの程度推移するのかが気になるところです。


東京商工リサーチ調べ(インボイス制度まで1年、登録件数は100万件に満たず  登録率トップは富山県、最低は栃木県)



今後の見込と留意点

なお、インボイス制度が開始する2023年10月1日からインボイス発行事業者になるためには、原則として2023年3月末までに税務署に登録を行うことが求められていることから、現時点で未登録の上場企業についても2023年3月末までにはほぼ100%登録済みになることが想定されます。


インボイス制度開始までのスケジュール(原則)。令和5年10月1日よりインボイス制度が始まります。インボイス制度開始時点で適格発行請求書事業者としての登録を完了させるためには、令和5年3月末までの登録申請が推奨されております。
インボイス制度開始までのスケジュール(原則)

しかし、実際には、何らかの理由で敢えてインボイス発行事業者登録を行わない上場企業や、事務手続きの遅れ等により2023年3月末までに税務署への登録が間に合わず、2023年10月1日の制度開始時点ではインボイス発行事業者ではない上場企業が出てくる可能性も想定されます。


また、上場している企業自体(親会社)がインボイス発行事業者だったとしても、その子会社、関連会社等のグループ会社がインボイス発行事業者であるとは限りません。

親会社がインボイス発行事業者登録を行う場合、その子会社、関連会社等に対しても、インボイス発行事業者登録を行うことが促されていること、又、子会社、関連会社等自身が自主的にインボイス発行事業者登録を行っていることが想定されますが、前述の通り、何らかの理由で敢えてインボイス発行事業者登録を行わない子会社、関連会社等や、事務手続きの遅れ等により2023年3月末までに税務署への登録が間に合わなかった子会社、関連会社等が出てくる可能性は十分に想定されます。


そのため、上場企業もしくはそのグループ会社との取引だから必ずインボイスを受領できると決めつけることなく、取引先企業への事前確認や制度開始後の取引にあたって受領する請求書に適格請求書発行事業者番号が掲載されているかどうかを確認することが重要と考えられます。


(Update)

インボイス開始時点でインボイス発行事業者となる場合の登録申請書の提出期限は、令和5年3月31日です。ただし、この期限までに登録申請書を提出できなかったことにつき困難な事業がある場合には、登録申請書にその旨を記載して提出することにより、4月以降の申請であっても、9月30日までの提出であれば、令和5年10月1日のインボイス制度開始時点に登録を受けたとみなされる経過措置が追加されました。



インボイス制度開始前に実施すべきもう一つの重要な対策「取引先がインボイス発行事業者登録を行ったかどうかを確認」することが困難な理由

取引先がインボイス発行事業者登録を行ったかどうかを確認する手段として、以下の方法が考えられますが、取引先の件数が多い場合等においては、いずれの方法も困難であると考えられます。


1. 取引先に電話やメールで照会する方法

  • 取引先件数が多い場合、このような人手による方法はそもそも無理。

  • 取引先が登録予定と回答したとしても、実際に登録したかどうかまで確認することが出来ない

2. 国税庁が公表している「適格請求書発行事業者公表サイト」上で確認する方法

  • 同サイトは、取引先の法人番号が分からないと確認が出来ない仕様になっているのですが、取引先の法人番号なんてそもそも知らない。

  • 併せて、国税庁が公表している「法人番号公表サイト」で、取引先の法人番号を検索できないこともないが、一社一社、地道に検索することは非現実的。

  • 仮に法人番号を知っていたとしても、取引先がいつ登録するかも分からないなかで、毎月なり時間をかけて繰返し検索をすることも非現実的。

3. 国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」から一覧ファイルをダウンロードする方法

  • ダウンロードファイルのデータ量は膨大であること、及び、当該データは定期的に更新されることから繰返し膨大なデータ量をダウンロードする必要があり非現実的。

  • ダウンロードしたところで当該ダウンロードデータの中から、自社の取引先を探し出すことは困難。

4. 国税庁が公表している「適格請求書発行事業者公表サイト」のWeb-APIを用いる方法

  • 自社システム等でWeb-APIを構築するためには専門技術やコストを要する。


つまり、取引先がインボイス発行事業者登録を行ったかどうかを制度開始前に確認することが重要であるにもかかわらず、それを確認する手段は事実上無いと考えられます。



法人取引先のインボイス発行事業者登録状況をスパッと確認できるオンライン照合ツール「easy Invoice Check」

当社は法人取引先がインボイス発行事業者登録を行ったかどうかを簡単かつスピーディに確認することが出来るツール『easy Invoice Check』を提供しております。

適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)検索・照合ツール「easy Invoice Check」。適格請求書発行事業者の登録番号のほか、法人番号、国税庁に登録されている名称、所在地情報等を収集し、ダウンロードすることが可能です。自社の仕入先マスタのファイルをアップロードして、インボイス登録番号を付与できるサービスとして日本初のサービスです(※)。(※:株式会社トランザック調べ)
インボイス登録状況一括確認システム「easy Invoice Check」失効状況も自動モニタリング可能。

『easy Invoice Check』は、取引先マスタなど、取引先の会社名(もしくは会社名および住所)が掲載されているcsvファイル上の情報と、国税庁が「適格請求書発行事業者公表サイト」および「法人番号公表サイト」で公表している情報を、Web-APIによって照合することで、法人取引先がインボイス発行事業者登録を行ったかどうかを機械的に確認するインターネットサービスです。


ユーザーは、取引先マスタなど自社内に存在するデータを準備するだけで良いので、殆ど手間をかけずに法人取引先がインボイス発行事業者登録を行ったかどうかを確認することが出来ます。


easy Invoice Checkの紹介ページはこちら→Link




おわりに

最後までお読み頂きありがとうございます。

今回ご紹介した東京証券取引所に上場している企業のインボイス発行事業者登録状況は定期的に更新して公表していく予定です。また、2023年3月末時点の登録状況についても同様に公表させて頂く予定でおりますので是非楽しみにお待ちください。



今回公表させて頂いた東京証券取引所に上場している企業3,763社(2022年9月末時点)の会社別の登録状況データの詳細が必要な場合には、弊社ホームページのContact us よりお問い合わせください。原則としてメディア様からのご要望に限りお受け致します。なお、ご利用用途によっては、データのご提供をお断りさせて頂くことがありますこと事前にご了承ください。



会社HP → Link
easy Invoice Checkの紹介ページ → Link





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