東京インキ 様
研修サービス, 伴走支援
Power Queryによる管理会計業務の自動化プロジェクト
2024年3月19日
取材日:
半年で管理資料作成工数を90%も削減
インタビューと事業のご紹介
東京インキ株式会社
管理部門 理財部 沢目 様
管理部門 理財部 髙木 様
東京インキ株式会社は、1923年に設立され、印刷インキの製造・販売から始まり、化成品、加工品事業へと拡大してきました。インキ・化成品・加工品の3つを主要事業とし、約3000社の顧客との信頼関係を築いています。技術開発では、顔料分散、材料配合、混練、成形加工、分析評価の5つの基盤技術を有しており、生活の多岐にわたるシーンで製品が利用されています。製品は、商業印刷、パッケージ、生活用品、自動車、土木資材、農業資材、産業資材などの分野で、日常生活に密接に関わり、様々な領域で社会に貢献されています。
東京インキ株式会社 会社HP https://www.tokyoink.co.jp/
導入前
導入の経緯と対象業務について教えてください。
「管理会計の資料等をExcelにて手作業で作成しておりましたが、業務のローテーションで、作業を別の担当者に引き継ぐタイミングでした。その際に、このPower Query(パワークエリ)を使って業務の効率化をすることになりました。」
今回Power Queryの対象となった作業は、長年実施してきた業務でありました。
どのような課題がありましたか?
「Excelにて手作業で数値を集計・加工し、資料の形に整えてから社内の関係者へ発信するという作業なので、どうしても数字が変わったりすると、一から作り直さなければいけなかったり、数式が間違っていて、誤った数値を社内の関係者に発信してしまったということが課題でありました。」
どのような対策をされていましたか?
「出来るだけ数式を使いミスを防止するといった対策は行っていましたが、作業自体を自動化するところまでは行き届いていませんでした。そんな折、システムに長けている髙木が入社してから2~3年でマクロやRPAを取り入れ、作業の自動化に取り組め始めたところといった状況でした。
現状は、マクロの使用は限定的で、RPAを使用する事が圧倒的に多かったのですが、今回Power Queryを使うことが出来るようになったので、Power Queryの比率が高まっていくものと思っています。やはりExcelを使った資料作成についてはRPAよりもPower Queryの方が適していると感じています。」
Power Queryサービス導入の決め手を教えてください。
「Microsoft社が開発したツールであり、初期費用が掛からないこと、手作業で行っているデータの集計が自動化出来るということが一番の決め手でした。」
Power Queryというツールがあることは把握されていましたか?
「いえ、トランザック社よりご案内があるまでは把握していませんでした。」
導入後
導入効果について教えてください。
「今までは作業する人によってまちまちだった作業時間が、Power Query導入により、誰がやっても短時間で作業出来るようになりました。短時間で作業出来るようになったことで、残業時間が減少したり、他の業務を行なったりと時間を有効活用出来るようになりました。当初目指していた、Excel作業を効率化したいといった課題はクリア出来たと思っています。」
現在は、沢目様と髙木様が開発したPower Queryを部内のメンバーに使ってもらうという使い方をされているとのこと。
「データをここに入れて、このボタンを押してねといった簡単な操作で他のメンバーも使えるのが良いです。社内の評判も高く「すごい便利だね」、「私がこれまで時間かけてやったのに、こんな短時間で終わっちゃって悔しい・・」「こうやって業務が奪われていくのね・・」といった声が上がっていました。」
「研修サービスによって、Power Queryの使い方を十分に習得出来るので、自分たちでPower Queryを使って業務の効率化が出来るようになりました。」
実際にどれぐらいの工数削減効果がありましたか?
「Excelでの管理資料作成工数を90%も短縮することができました。」
沢目様が取りまとめていただいた資料を拝見したところ、Power Query導入開始から概ね半年間のトランザックの導入・伴走支援の下、沢目様、髙木様が自らPower Queryを用いて12件の資料作成業務を効率化し、これまで月間1,275分かけていた作業を約133分に短縮、月当たり19時間ほどの削減となり、約90%の工数削減が達成出来たとのこと。
導入を検討している会社におすすめできる点はありますか?
「初期の導入時点ではPower Queryの構築は難しそうという印象でしたが、講習によって習熟が進んでいくうちに、ここをこうしたら効率化につながるというイメージが持て、短期間で成果を出すことが出来ました。トランザック社の導入・伴走支援サービスにより、早く自分たちのものに出来たことは良かったです。また、設計上の疑問点なども適時に解消出来るのでスムーズな設計と運用が可能な点がおすすめ出来ると思います。」
導入に際し困ったことはありましたか?
「エラーが結構出るなとは思いました。ファイル名やシート名が変わった際などにエラーが生じますが、研修を受講したことで、エラーが出ても自分で把握し、修復して対応が出来ております。」
今後の展望について教えてください:
「まずは自部署のデータ集計作業の効率化を拡大させていき、更に他部署のExcel作業効率化やPower Queryの開発陣営を増やしていく事などを考えています。
また、管理部門にとって、業務の効率化は大きなテーマであります。今後はPower BIを使った情報の可視化や資料の見栄えなどをブラッシュアップしたり、Power Appsで業務アプリを作ったり、生成AIを活用した業務の効率化を出来たらと思っております。既に他のRPAシステムを導入しているため、Power Automateを活用する可能性は現状なさそうですが、現行のRPAシステムよりもランニングコストはかなり抑えられそうだと思いました。」
インタビュー後記
沢目様と髙木様はPower Queryの使い方をすぐにマスターし、短期間で実務への適用を実現されておりました。今後も、Power BIなど他のPowerシリーズを活用した業務改善を目指されております。創業100周年を迎えられ、勢いのある東京インキ様のような企業様が我々のようなスタートアップ企業のサービスをご利用いただいたことには感謝の念に堪えません。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
東京インキ株式会社の沢目様、髙木様 インタビューへのご協力ありがとうございました!
(カバー写真:左手より東京インキ 髙木様、沢目様、トランザック 髙橋、國塚)
成果指標
プロジェクト期間
0.6
年
創出された時間
228
時間/年
効率化度合
90
%
※効率化度合(%)=1ー(導入後の作業工数/導入前の作業工数)